災害と仕事。

 もし、地震が起こったら、もし、台風で川が増水し水害に遭ったら。どうしたらいいんだろう。自分の身は自分で守らなければならない。その時、どんな手段をとるのか。何を思うのか。

 たぶん私は大丈夫じゃないと思う。日頃から対策していないからだ。防犯リュックぐらい準備しなくては、と思いながらも何もしていない。ハザードマップだって知らないし、知っているのは公民館の場所と小学校、中学校の場所ぐらいだ。って、こんなこと自慢しても意味がないのだが。

 

 ニュースで災害が起き、街の様子が映し出され報道される。そこに暮らしている人々が亡くなられたとか、未だに生活が厳しいとか、避難所での様子が報道される。そのたびに、裏ではどうなのかと思ってしまう。

 家族や知人がいなくなってしまって、深く悲しみ、喪失感を抱えている方。災害後、以前の生活に戻れなくて、それでもなんとかがんばって生活している方。いろいろいる。ボランティアでがんばって支えている人もいる。

 

 じゃあ、支えている人は??その人たちの暮らしを支えている人は報道されないの?普通の暮らしを求めている方がいる。その方達に対して、自分を削って助ける。それが当たり前だと思われている。警察、消防、自衛隊・・・。

 その方達は「死んで当たり前」な人達なんだろうか。

 

 こんな災害時に、人の命がかかっている時に何言ってるんだと思う人もいるだろう。もちろん仕事上、いつも危険と隣り合わせだしそんな仕事ってわかっている。だけど、その人達は人を助ける仕事だから、死んでも仕方ない。そう、思われているような気がしてならない。仮に仕事上亡くなったとしたら、美談として報道されるのだろう。

 

 東日本大震災で最後まで住民へ避難するように呼び掛けた、女性職員が津波で亡くなった。両親は、最後まで仕事をした娘を泣きながら讃えていた。その様子が報道されていた。両親が望んだのはそうじゃない。仕事じゃないよ。生きていてほしかったんだよ。でも、あの状況で彼女はそうした。そうするしかなかったのか、彼女の意志だったのか、津波の恐ろしさをわかっていなかったのか、本当のところはわからない。だけど、みんなのために亡くなった。

 美談。

 美談なの?

 人のために仕事して、自分は??

 そういう仕事なのだからしょうがない。死ぬのも仕事なの?